特例認定NPO法人格の取得をしたい　１

３年～４年ほど前の話です。

「先生、何としても仮認定（※当時は「仮認定」という制度名称でした。以下、「仮認定」で記載。）を取って、企業等からの寄附を集め、法人を大きくしたいんです」

そのようなご相談をいただきました。私も以前から知っているNPO法人さんで、仮認定制度ができ、ぜひチャレンジしてみたい、というご相談でした。

設立当初から、実質的に代表１名で奮闘し、周囲のプロフェッショナル達の協力を仰ぎながら、青少年のための事業や東日本大震災の復興支援のための事業を一生懸命実施されていました。補助金等もご自身で申請し、何本か取得している実績もお持ちです。ただ、決算状況もよく存じ上げていたので、仮認定が取得できるかどうか、は私も自信が持てない状況でした。

「とにかく、やってみましょう」

こちらの法人さまの設立にはかかわっていなかったのですが、私自身、それまでも事業報告書作成や役員変更手続き、補助金申請等、随時ご相談には乗らせていただいておりました。実際に経理状況を拝見してみると、、、

「これは、、、仮認定を受けられるほどの経理状態ではないのではないでしょうか。。。」

というのが私の正直な感想。

補助金の報告書作成等の経験をお持ちなので、領収書等の整理は割ときれいに出来ているのですが、複式簿記による方法での経理は出来ておらず、失礼を承知で言えば、家計簿レベル。。。

仮認定の審査では、直近２期分について、帳簿状況がチェックされます。レベルとしては、監査法人や会計士・税理士等にチェックしてもらってOKが出るレベルが最低限求められています。

「・・・では、私の方でまず会計ソフトを使って全て領収書２年分、打ち直しますね。。。」

年間の予算規模は２００～３００万円程度で、領収書の数は莫大、というほどではないのですが、２年分丸っと一から打つのは決して楽な仕事ではありません。お金も法人としての口座と、代表者個人の口座からの出し入れが一部ごちゃ混ぜになっており、経費精算や個人からの借入等の処理もいい加減なままになっている箇所も見受けられます。

「仮認定の申請を出すところまでで、結構エネルギーを使ってしまいそうだな。大変な仕事を請け負ってしまったかもしれない。この先大丈夫かなぁ。。。。。。」

しかし、私の不安は見事に的中するのでした。

（特例認定NPO法人格の取得をしたい　２に続く。）