起業相談②~コンサルティングをやりたい20代男性Aさん
例えば、人材育成コンサルティング事業を行うために起業をしたい、という20代男性Aさんから相談があった場合、通常であれば、営利を目的とすると思います。選択としては個人事業なのか、会社(株式又は合同)なのか、いずれにせよ、営利事業の認識です。
では、非営利目的でコンサルティングができないのか、と言われれば、「まあできますね。」と答えます。NPO法人であれば、法律で定められた20分野の活動に当てはまる必要があります。例えば16.経済活動の活性化を図る活動として、中小零細企業向けに非営利目的で対価を得てコンサルティングを実施していきたい、という意思をお持ちの場合、監督官庁から指摘を受ける可能性は全くないわけではありませんが、十分に可能であると思います。
また、非営利目的ではなく、その他の事業(34種類の収益事業)としてコンサルティング事業をNPO法人として実施することも十分に可能です。ただ、コンサルティングを対象とするターゲット、金額、方法等によっては、34種類の収益事業にも該当せず、その他の事業として実施することになるかと思います。
営利なのか非営利なのか
営利・非営利の区別と言われると、法律上は「得た収益や残余財産を構成員間で分配できるのが営利、できないのが非営利」という認識となります。なので、非営利でも収益を上げて問題はないのです。対価をいただいて事業を行って問題はないのです。利益が上がったときに、その利益を構成員間で分配する、というのは、イメージとしては株主の配当でしょうか。株主さんに利益を分配できるのが営利、構成員に分配できないのが非営利。そのように考えていただければいいのかなと思います。(では構成員に役員報酬や給与で頑張りに報いることはできないのか、と言われるとそれは可能です。その点はまた別の機会に書かせていただきたいと思います。)
Aさんは美容業界を活性化し、美容業界の人材育成に困っている企業さんを相手に人材育成・マインド養成・心理的アプローチからのコンサルティング事業を開始することにしました。Aさんは設立のためにあまり時間をかけることができず、構成員を集める時間がなかったため、非営利型の一般社団法人を立ち上げることにし、NPO法の掲げる20分野を参考にしながら、非営利目的でのコンサルティング事業を行い、日々全国を飛び回っておられます。