起業相談⑥~何度も役所に相談に行ったのに・・・泣
50代の男性からのNPO法人設立のご相談でした。
「役所の無料相談に何度も足を運んで、指摘されたことを何度も修正しては持っていき、といったことを繰り返しました。それなのに、結果不認証だったのです。納得がいきません。」
ご相談者様は、最初の面談で、そう憤っておられました。
「もし差支えなければ、申請を出された資料、拝見しても大丈夫でしょうか?」
事前に、面談時にお持ちいただくようお伝えしていた申請資料です。
内容を拝見すると、確かに我々プロの目から見ると、結構穴だらけ。なぜこれで申請を出させたのか、某役所の相談担当者にお聞きしたいくらい。
「う~ん、申し訳ないですが、正直私の目から見ると、定款一つ見ても不十分に思います。逆にこれで受理されて、4か月(※2009年の申請時)待たされたあげく、不認証にする、ってひどいですね。。。」
ご相談者様にそうお伝えすると、さらに怒りが湧いて出てきているかのようでした。
「例えばですけど、私の方でご依頼いただいた場合ですが、こちら、申請資料一式がありますので、作成のベースが固まっているかと思います。足りないところは私の方でサポートさせていただきます。なので、費用は通常の半額で構いません。また、もし従たる事務所として、こちらの主たる事務所以外に設置できるところがありましたら、そちらを定款に記載させていただいても大丈夫でしょうか?それによって管轄が都道府県知事から、内閣府(※2009年当時は2つ以上の都道府県にまたがって事務所を設置する場合、内閣府が管轄でした。)に変わりますので、憎たらしい役所の方々に監督されることもありませんよ」
そのようにご提案さしあげたところ、ご相談者様はその提案にのってくださいました。私の方でスムーズに書類作成・提出に進み、内閣府で無事認証書が発行されました。
「森先生のおかげで、ようやくNPO法人化ができました。また、当初予定していた〇〇知事の管轄から、内閣府の管轄の冠もいただけて、とてもうれしく思っております。」
後日、そのようなメールをいただき、とてもうれしく思いました。
なお、後日談ですが、NPO法が改正されたため、その何年後かには、内閣府の監督が外れ、結局最初に不認証をくらった、某都道府県の監督に服することとなりました。その際は、「せっかく内閣府になったのに、法改正のせいでまたあの役所の管轄になるんですね。。。」ととても残念がっておられましたが、現在は、その某都道府県への働きかけにより、彼らのNPO法人が行いたかった、啓蒙・啓発活動を某都道府県のバックアップを受けながら実施できるようになったようです。