非営利法人が助成金を獲得できた場合の話
某任意団体が、政治的な要望を伝え、某財団から助成金を得るためには、法人化が必要、というお話で法人化のお手伝いをさせていただいた話です。
某任意団体は、これまでの社会的な活動が20年以上認知されており、某財団から、「法人化すれば資金的にも援助できる」というお話があったため、一般社団法人化した団体です。
法人化には多少手間がかかりましたが、一般社団法人化し、某財団からも毎年〇千万円の補助金が出ることが確定していました。
法人化後、5年経過し、、、
「先生、実は、某財団からの助成金が今期から半額となり、来期はさらに半額となり、その次の期には打ち切られます。」
というご相談がございました。
某財団からすれば、運営費を含めて年間〇千万円の補助を出すこと自体、まれなことでもあり、ただ、担当者も変わっていく中で、法人さんに毎年〇千万円の補助は今後難しい、というお話がここ2~3年で出されるようになりました。
3年前から事務局長に就任されたFさんは、法人の存続と、補助金に頼りすぎない事業体への変貌を考え、役員会へもいろいろとご提案されていきました。
残念ながら、今期は、前期までの補助金の半額で、来期はさらにその半額となります、と言われている中、事務局長の立場の彼女は、固定費の削減に前期から取り組んでおられます。
それでも、毎年のように削減される補助金を目の当たりにし、自分の給与が来年度保証されないことを認識されたうえで、
「先生、助成金・補助金の性質がよくわかりました。非営利団体・非営利法人は助成金・補助金に頼りがちですが、それを頼りにしていると、いざ打ち切られたときに、立ち行かなくなること、固定費削減のために、人件費の削減や事務所家賃の削減等に取組まざるを得ないこと等、重々勉強させていただきました。」
とおっしゃてました。
今回、非営利法人とは切り離した形で、営利法人の立ち上げと、営利法人での事業構築、それを通じて非営利法人を活用・活かす形でサポートしたい、というご相談になりました。
「社会的に認知され、必要とされている非営利法人とその活動を継続していかなくてはならない。そのためには補助金・助成金に頼ってはいけない。自分たちで事業を立ち上げ、形にし、必要とされている非営利法人を継続できるよう支援できる体制を自ら作らなければならない。」
事務局長の決意は相当なものであったと思います。
私(森)が開業当初、拝読した本で、NPO法人が継続できる方法、に関する本を読ませていただきました。そこで挙げられたいた社会福祉法人は、関連企業を立ち上げ、関連企業が収益事業を行いつつ、本来事業である社会福祉法人を活かすビジネスモデルでした。
事務局長ともお話させていただきましたが、「真面目に活動を行っているところほど、資金的支援が枯渇し、あとは解散を待つだけになっていまっている現実がある。」と。
そのような現実を容認してはいけず、我々専門家はもとより、当事者や支援家の方々のご協力もいただきながら、「本来あるべき社会・姿」にするための活動・取組を、今後も頑張っていかないといけないと感じております。