起業相談⑦~業界団体の第三者機関を作りたい
9年くらい前の話です。
建設業界の中でも少しニッチな建設業者さんを、ある保険会社に長くお勤めされて独立した方からご紹介いただきました。
「我々のようなニッチな業界で、第三者機関となるようなNPO法人を作りたいんだよね。」
ご相談の趣旨としては、そのようなお話です。
私も駆け出しの頃でしたので、いろいろな点が引っかかりました。
「本当に業界団体的な形をお望みなのですね?NPO法人は特定者利益を図ることは認められないので、業界者団体的なニュアンスはなるべく消した方がいいかもしれませんね。」
「会員は企業だけで、個人は基本的に会員にならないんですね?お伺いしている会費は企業が対象だから当然かもしれませんが、結構高いですね。会員になるために設定された不当な条件、と判定されると、認証が出ませんので、妥当そうな線を探る必要がありそうです。」
「第三者機関というのは、お話だと保険事業?保証事業?NPO法人の認証の他に保険業法とかの許認可とか必要になる事業じゃありませんかね?」
ちょうど保険業法が変わる頃で、保険事業は厳しく制約されるタイミングでもありました。お話されているのは、保険事業なのか、保険業法の規制から対象外となる保証事業なのか、結構判断が難しそうなお話でした。(保険会社とのコラボが必要な事業であったことも影響しました。)
個人的には、結構認証を取るのは難しそうかな、と思いながら恐る恐る申請を出したのですが、結果、スムーズに認証取得。「へえ、NPO法人法の掲げているいろいろな規制は厳しいのかと思っていたのに、結構あっけないものだな」と思ったものです。
ただ、その後の運営はとても大変なトラブル含みでした。。。
一番最初のお打合せで同席されていた建築士さん。この方が事務局長としてこのNPO法人の運営を任されていました。
立ち上げ当初ですので、お金がないのは当然仕方ないのですが、ある意味複数の企業が集まって支えあうNPO法人なので、困ったときには資金的な援助もありえる話。第三者保証機関としての役割を担うためには、会員企業からの預託金を預かり、いざというときの保証事業や、会員企業のための様々な事業を組み立て、実施していく必要があります。
ちょっとお金にだらしない方であったのもありますが、いろいろとトラブルになり、会員企業に大きな借金を作って、最終的に追い出されるような形でこのNPO法人から1年あまりで去りました。
結果、運営者がいなくなり、毎年の事業報告等の事務が滞ってしまったため、そのサポートとして、私や税理士さんの力が必要となり、継続的なサポートをさせていただくことになりました。
※なお、この建築士さんとは後日談があり、当方は別の法人の立ち上げで、この建築士さんとまたお仕事をすることになりました。その結果として、、、また機会があれば書きたいと思います。