起業相談⑧~設立後の管理・運用のサポートこそがほしい
9年くらい前の話です。
仕事の関係で、ご紹介いただいたのが、今回の相談者のYさんです。
Yさんは教師をされながら、NPO法人を設立し代表に就任。既に5~6年ほど経過されてましたので、厳密には起業相談ではありませんでした。ただ、起業して実質お一人で奮闘されてきた中で、
「森先生、社会起業家支援とはどういうことなんです?私も行っている事業はまさに社会起業といえるのではないでしょうか?森先生のお力もお借りして、第二創業のつもりで事業を拡大していきたいのですが。」
初めての打ち合わせだったのにも関わらず、結局2人で深夜まで居酒屋で
『社会起業家とは』
『社会起業家支援とは』
『森さんは私たちの団体のために何をしてくれるのか』
そのようなテーマで熱く議論を交わし続けたのを今でも覚えております。
結果として、私がいったいどんなサポートができるのか、を証明(?笑)するために、管理・運用サポートとして、
・毎年の事業報告書の作成や提出
・役員変更の手続き
・補助金や助成金申請のサポート
・役員への就任
・毎月ある(常任)理事会への出席
・事業への積極的な関与(イベント等への出席やボランティア)
・会費の納入や寄付の実施
・クライアントの紹介
等、自分が可能なサポートをさせていただきました。
NPO法人としての体力は不十分ですので、上記についてはほとんどがボランティアであった、と言っても過言ではありません。
私自身も創業間もなかったので、利益度外視で自分ができること、を最大限に考え、実行させていただいたと思います。
また、理事長がお勤めの学校で、社会人講師として、2コマの授業を2回、やらせていただく機会をいただけたのは、お金では換算できないいい経験でもありました。
一方、NPO法人の管理・運用サポートの方は、ある時期までは拡大傾向が続き、役員も増えて新たな取組み(事業)もどんどん実施していきましたが、関係者が増えることで、なかなか意志の統一が難しくなっていったのも事実でした。
現在では、私の関与も最小限となってしまい、同時に関係者も縮小傾向ではありますが、創業当初の理事長の熱い想いにより、15年も事業を継続されているのは本当に頭が上がりません。
第三創業、とまでは言えませんが、毎年の事業報告書作成・提出や、2年ごとの役員変更手続き以外に、現段階でいったい私に何ができるのか。理事長の熱い想いに応えられる社会起業家支援、をしっかりと考え、実行に移すことが重要だと思います。