起業相談⑨~共にソーシャルイノベーションをおこしましょう!
東日本大震災の年の夏頃のことだったかと思います。
私のホームページを通じて、ある兄弟からお問い合わせをいただきました。
「森さんはユヌス氏ともお会いしているのですね。ぜひ我々の活動を法人化し、支援していただきたいのです。」
お話を伺うと、このご兄弟は海外でそれぞれが様々なソーシャルベンチャーとしての活動や動きを行っていらっしゃいました。
ひとりは中東やアメリカ地域で。
もうひとりは欧州やアフリカ地域で。
日本では任意団体としてこのご兄弟を中心に、数年の活動実績もあり、例のごとく法人化にあたっては、NPO法人と一般社団法人と一般財団法人とでメリット・デメリットを知りたい、とのことでした。
私の方でご説明を差し上げ、最終的に一般社団法人としての法人化に決定いたしました。
法人化にあたり、例えば印鑑証明書と実印をいただくにも、海外や出張が多いお二人なので、そう簡単にはお時間をいただけません。海外在住の理事を複数名入れる予定でしたので、海外在住の理事に就任承諾書等の書類をお送りし、サインをいただくためのやりとりも発生します。肝心の中心となるご兄弟も、海外では押印ではなくいつもサインなので、サインではダメなのか、といったお話が出てきます。
「もし海外に住所を移していらっしゃるのであれば、サインでもいいのですが、在外公館等でサイン証明といった手続きを別途していただくことにもなりますが、日本にご住所はお持ちではないですか?」
サイン証明の手続き等についても調べてはお伝えし、ご本人がどうされるかをご決断をお待ちしていました。結果、ご家族は日本在住でしたので、奥様を通じて実印や印鑑証明をご用意いただき、また、海外在住の理事の方々からはサイン入りの書面をいただくまでに、数か月の日数を要しました。また、定款や理事就任のための誓約書等、海外在住の理事の承認をいただくために、作成した定款等を英訳し、その内容を確認していただくための時間も必要でした。
とても海外色豊かな一般社団法人が立ち上がったのが、翌年の2月でした。私もご信用をいただけたのか、いきなり法律上の社員兼兼監事としてジョイントさせていただくことができました。
また、毎年世界中からソーシャルイノベータ―が集まる「世界サミット」なる集まり(NYCで開催された年)にも参加させていただくこともできました。
現在は一般社団法人を解散し、ご兄弟はそれぞれ国内の大学の教授、海外の大学院での研究の道に進まれ、ソーシャルイノベーションを国内・海外で広めるための活動や教育に勤しんでおられます。