廃業相談②~復興支援の法人を立ち上げてすぐに解散させた
東日本大震災の直後の話です。
森君、復興支援活動を行う一般社団法人を作ろう。
知り合いの経営者からお電話をいただき、すぐに法人を立ち上げ、現地での支援活動を行いたい、と言われました。
「森君も役員として入って、速やかに立ち上げをお願いするよ。なので、設立に約4か月もかかる(※2011年当時)NPO法人は待ってはいられない。すぐに立ち上げられる一般社団でいい。復興支援活動がメインなので、非営利型の一般社団法人にしよう。」
そんなお話をいただき、私もメンバーとして参画、立ち上げを行いました。
代表者、その経営者で、仲間内が役員を占めました。
被災地の現地とのコネクションがあり、現地の被災したお店の復興、商品の関東近県での販売支援、ブランディング化等、行うことはたくさんあるようでした。
ところが、、、震災の翌年、まだ設立してから1年もしていないうちに、
「森君、法人がもう不要になった。速やかに解散させてくれる?」
と、代表から言われました。
「えっ、まだ事業として何かやったような姿が見えないのですが。。。」と内心思いつつ、メンバーも全員解散で異議がないようでしたので、それ以上のことは申しませんでした。
東日本大震災が起こったとき、復興支援のための非営利法人・非営利団体はたくさん立ち上がったと思います。その活動は多岐にわたり、多くの被災者の支援につながったのではないか、と思います。
今回、私がかかわらせていただいた法人は、私もよく分からないまま法人が立ち上がり、私がよく分からないまま解散・清算させることとなりました。
元々、任意団体としての活動組織が別にあり、そちらでの活動でおそらく現地の支援活動は事足りたのだろう、と思いました。法人格を持つことで、特に東京都内で一般社団法人を持つと、公益目的の事業を行うだけの法人であったとしても、年間7万円~の法人住民税の均等割り、という税金が公益目的の事業のみを行うNPO法人と異なり、免除になりません。
せっかく復興支援のための公益事業を行って収益を上げたとしても、本来は被災者のために資金を使いたいのに、税金の支払いのために収益がなくなってしまうことも許せなかったのかもしれません。
今回は、役員であった私が清算人として就任し、法人の解散・清算のための手続きを行いました。と言っても、1年足らずしか活動しておらず、お金もほとんど動いていなかったので、手続きと呼べるものは少なく、あっという間に完了できる作業でした。
復興支援のために立ち上げから関わり、1年足らずで解散・清算させることとなった法人。仕事とはいえ、少し複雑な気持ちになった経験でした。