NPO法人はスタートが大事!機関設計がポイント!
さて、今回からNPO法人設立の手続きについてご案内させていただこうと思います。
NPO法人を設立しようと決めてから、まず最初にすべきことは
“機関設計”です。
法定機関
理事:NPO法人を代表する業務執行責任者
監事:理事の業務執行に関する監査機関
社員総会:NPO法人の最高意志決定機関
任意機関
理事会、代議員会、顧問
法定必要機関は、法により、設けることが義務付けられている機関です。これらの機関を設けていない場合、NPO法人を設立することはできません。
個別に見ていきましょう!
理事 3名以上
理事は、NPO法人を代表する業務執行責任者です。3名以上必要で、各理事に代表権があります。
しかし、任意機関として『理事会』を設け、定款に『代表理事は、この法人を代表し、その業務を総理する。』と規定し、理事の中から『代表理事』を設けることも可能です。この場合、代表理事がNPO法人を代表し、それ以外の理事の代表権は制限されることになります。
監事 1名以上
監事は、理事の業務執行に対する監督機関です。
監事は下記の職務を行います。
・理事の業務執行の状況を監査すること。
・法人の財産の状況を監査すること。
・法人の業務又は財産に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見した場合には、これを総会又は所轄庁に報告すること。
・上記の報告をするために必要がある場合には、総会を招集すること。
・理事の業務執行の状況又はこの法人の財産の状況について、理事に意見を述べること。
なお、監事は、理事又は職員との兼務が禁じられています。
理事、監事ともに、定款で選任方法を定めます。任期はいずれも定款で定める2年以内の期間となります。再任も可能です。
NPO法人はよくボランティアと認識され、役員が報酬を受け取ることはできない、と思われがちですが、NPO法人の役員でも報酬を受け取ることは可能です。ただし、報酬を受ける役員の数は、役員総数の1/3以下でなければなりません。
※監事は、職員の兼務が禁じられていますが、それ以外の役員は兼務可能であり、職員としての給料手当は、上記の役員報酬の制限とは、関係ありません。
社員10名以上
次に社員についてです。
社員については、わかりにくい点であり、いわゆる『従業員』のことではありません。
『社員』とは、NPO法人の目的に賛同し入会した個人および団体で、社員総会における議決権を持つものをいい、一般的には『会員』と呼ばれています。
『会員』を複数種類設ける場合(正会員、賛助会員etc)、その『会員』がNPO法上の『社員』かを定款で明示する必要があります。
NPO法上の社員と位置付けた会員を構成員とするのが、『社員総会』です。
社員総会
社員総会とは、NPO法人における最高意志決定機関であり、定款で役員に委任した事項以外の全ての事項を決定する機関です。
総会の議決事項(総会で何を話し合うか?)、理事会を設ける場合は理事会とのバランス等、しっかり決める必要があります。役員に委任できる事項もありますが、以下の事項は、総会の法定議決事項(必ず総会で話し合う事項)となっています。
・定款の変更
・解散
・合併
さて、NPO法人の機関設計ができました。次にすべきことは、所轄庁に提出する書類の作成です。
この書類にも色々とポイントがございます。